梗塞の起きた部位別の症状
・右大脳の脳卒中 :左半身の運動障害(左片麻痺)、左半身の感覚障害(しびれ)、左側の視野の障害、手に触れる物の形や空間的な位置を認知できない、左側の身体および空間を認知できない、記憶障害、構音障害
・左大脳の脳卒中:右半身の運動障害(右片麻痺)、右半身の感覚障害(しびれ)、右側の視野の障害、右側の身体および空間を認知できない、構音障害、記憶障害、失語症(言語障害の一種で、話すこと、聞くこと、書くこと、読むことのすべてにわたって障害される)
・小脳の脳卒中:平行感覚障害、手のふるえ(振戦)、姿勢の異常、歩行障害、発音が不明瞭となる言語障害(構音障害)
・脳幹の脳卒中:ひどい場合には突然昏睡状態となり両手足がまったく動かなくなる(四肢麻痺)、呼吸状態も悪くなり死亡することも多い
・軽い場合はめまい、嘔吐、手足のしびれ、舌のもつれなどで発症し、徐々に悪化する
脳梗塞を疑う症状
1.突然出現した顔、手足のしびれ、または脱力感、特に右側、あるいは左側の片側だけに起こるもの
2.突然出現した言葉の障害あるいは混乱状態、舌がもつれた感じ、言いたいことが言えない、相手の言葉が理解できないなど
3.突然出現した片目、あるいは両目が見えない、見えにくくなる
4.突然出現しためまい、歩行障害
5.突然出現した原因不明の激しい頭痛
治療
発症から3〜6時間以内:血栓溶解療法(ウロキナーゼやtPA) *ラクナ梗塞は適応外
最大の問題点は、治療後におこる脳出血(出血性梗塞ともいいます)である。完全に梗塞になってしまって死んでしまった脳に血流を再開させると、血管が裂けて脳出血がおこり、脳にさらに重大なダメージを与えることもある。状態などによって一概には言えないが、発生率は5〜15%である。
発症から24時間以内:脳保護剤(エダラボン)
抗凝固療法:ヘパリン
抗血小板療法:(経口)アスピリン、チクロピジン (点滴)オザグレルナトリウム
抗血栓療法:アルガトロバン(脳血栓症でアテローム性が対象)
脳浮腫改善薬:グリセオール、マンニトール
その他、低体温療法、血栓内膜剥離術、血管バイパス術など
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