この患者様が使っている下剤は、排便前の腹痛があることなどから、刺激性下剤と考えられる。刺激性下剤は、使い続けると体内のK+も失い、K+の喪失は体内の筋力の低下となる。筋力の低下は腹筋など排便時に必要な筋力低下と共に大腸自体を動かす筋力も低下して、益々便秘がひどくなる。下剤の長期使用は精神的に依存しその薬を飲まないと排便がないという一種の下剤中毒症を引き起こし下剤と便秘の悪循環に陥ることもあるので、下剤を減らしながら自分の力で排便できるようにすることが大切である。