香川・広島薬剤師教育研究会

患者百選

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外来初診日 2001/12/7 患者ID 158 氏名 AO 性別 女 年齢 64 身長 不明 体重 不明

更年期障害

更年期障害は、更年期に現れる不定愁訴症候群であり成因には自律神経性と心因性がある。不定愁訴としては、ほてり、のぼせ、発汗、冷え性、頭痛、めまい、耳鳴、不眠、しびれ、知覚鈍麻、肩こり、腰痛、頻尿、疲労感、食欲不振など多岐にわたり、いずれも自覚症状のみで他覚所見がみられないので、内科や神経科などで症状を訴えて検査してもはっきりした原因は見つからない。

治療法としては、女性ホルモンの補充、自律神経薬、向精神薬、漢方薬などが用いられ、心因性のものには心理療法などが行われる。しかし、更年期障害の根本的原因が女性ホルモンの急激な減少にある以上、適応外の一部の症例を除いて女性ホルモンの補充が最も的確な治療法である。ホルモン治療の利点としては、卵巣ホルモンを補うことで、骨粗鬆症を予防することが出来る。また、HDLコレステロールを減らし、LDLコレステロールを減少させるので、高脂血症を予防し、心筋梗塞や動脈硬化のリスクを減らすことが出来る。副作用としては、卵胞ホルモンだけの使用だと子宮内膜癌の発生が増加するが、黄体ホルモンとの併用でその発生を抑制することができる。その他の副作用としては、血栓症、不正出血や、乳房の腫れ、しこりやむくみ、頭痛がおこることもある。

舌癌について

舌癌の典型的な症状は、舌の側縁にできるしこりで、初期には痛みを伴うとは限らない。舌癌は舌の先端や真ん中にできることは稀で、白斑病変を伴うこともあるが、必ずしも白いとは限らない。進行すると芯が大きくなり、潰瘍形成を伴うと持続する痛みがでてきて、出血を伴ったり口臭が強くなったりすることもある。

心気症について

心気症とは、「身体徴候・身体感覚を非現実的に解釈して重篤な疾病であるという恐怖や信念をもち、それに見合う身体所見のないことを医師が保証しても納得せず、かつ疾病恐怖のため社会機能が障害される状態を言う。心気症の患者様は、些細な身体的不調に過度にとらわれ、病気ではないかという強い不安を抱く。しばしば、周囲の人に不調をしきりに訴え、病医院を頻回に受診する。そして、診察や検査の結果、病気ではないといわれても、この不安は消えない。心気症の治療には、精神医学的なアプローチが重要であるが、患者様は精神に問題があるということを認めたがらないことがほとんどなので、そのような治療ができないことも多い。薬物療法としては抗不安薬が中心であるが、抗うつ薬や抗精神病薬が使われることもある。

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