肺結核について
結核を疑う症状:2週間以上続く咳、微熱、胸痛、倦怠感、体重減少、血痰(風邪や気管支炎に似たような症状)
感染経路:結核患者が咳をしたりしたときに、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が飛びちり、空気感染する。また、最近は一度結核に感染していても、発症していなかった人(結核菌は肺の中に冬眠状態でずっと潜んでいる)が、高齢化や薬剤などにより抵抗力が落ちてきて結核を発症するというケースも増えてきている。
感染のリスク:糖尿病患者、ステロイド剤を使用している人(特に高齢者)、過去に肺結核と診断された人、周りに肺結核の人がいる人など
診断基準:まずはレントゲン検査を行う。これで特徴的な炎症像(白い影や空洞)があれば、痰の検査を行う。
痰の検査
塗沫検査・・結核菌を顕微鏡で見つける。結果がでるまで約1日
結核菌遺伝子検査・・PCRで結核菌の遺伝子を増幅させる。結果が出るまでは1週間
培養検査・・痰を培養して結核菌を見つける。結果が出るまで約2ヶ月
治療
結核菌に対して感受性のある薬剤を2〜4種類、6ヶ月以上併用する。(長期使用が必要なのは、菌の分裂速度が遅いためであり、複数の薬剤を使うのは菌量が多い時期に単剤で使うと耐性菌が残るためである)
初回化学療法の標準方式
標準治療法
1(A)INH、RFP、PZA、EB(又はSM)を2ヶ月→INH、RFP、(必要ならEBも)を4ヵ月
2(B)INH、RFP、SM(又はEB)を6ヶ月→INH、RFPを3〜6ヶ月
結核の治療には長期間にわたって複数の薬をきちんと飲み続けなければならない。このことは、患者様のみで完璧に行うことは難しく、最近はDOTS療法というものが推奨されてきている。DOTSの最も重要な点は、患者様が6ヶ月以上毎日大量の薬を飲むのを助ける事を目的に、患者様の服薬を毎日医療従事者が直接確認する事にある。患者様は担当看護婦さんの面前で毎日の薬を全て飲むことで、飲み忘れを防止でき、より多くの患者様が治癒可能となる。
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